アメリカに来て1年が経過し精神的にゆとりもでてきたので、日々の雑感を備忘として書き残していこうと思う。当面は、過去1年を振り返る形で日記をつける場合が多いと思うが、ご容赦頂きたい。今日は、ニューヨークの地下鉄の惨状について一言。私達家族は毎日のように地下鉄を使っているが、こちらの地下鉄は日本のそれと比べれば、悲惨としか言いようがない。挙げればきりがないが、①夏のホームは死ぬほど暑い、②冷房が効いていない車両がある、③大雨が降ると、停電を起こして電車が止まることがままある、④車両によっては、小便垂れ流しを平気でするような人が乗っている、⑤真夜中でも電車は動いているが、そういった時間帯には殺人事件なども起こる(つい先日も事件があったと友人から聞いた)、⑥テロの恐怖、⑦ストの不安(⑥、⑦は一時的なものですが)。。。中でも、項目③の状況が一番つらかった。私はマンハッタンではなく、郊外に住んでいるのだが、ある大雨の日、帰宅すべく乗っていた電車の電気系統が、とある駅で急に働かなくなった。アナウンスを聞いていると、何でも、復旧の目処が立たぬので、代替バスに乗って帰ってくれとのこと。この時期私は多忙を極めていたため、一刻も早く家に帰って、やるべきことをしたかったのだが、まあ仕方ないかと思って、地上に上がってみたところ、前も見えない程の雨。しかも、1台のバスに傘もささずに何百人もの人がゾンビのようにむらがっている。これは生き地獄だと思いながら、自分もそのゾンビの一人になって、必死になってバスに乗り込み、何とか帰宅することができた。結局、通常電車で30分のところが、5時間もかかってしまった。しかし、ニューヨークにお住まいの方ならご存知だと思うが、ニューヨークの地下鉄はいつ壊れても全くおかしくない様相を呈している。電車の屑鉄は路線上に転がっているし、雨漏りなんか日常茶飯事だ。鉄道会社に予防的発想など全くないようにも思える。しかし、皮肉にも大事故は起きない。最低限死守すべきものは何かということが意外に彼らの頭の中心にあるのかもしれない。